刹那。
寮長の目の前には、目隠しをされた1人の少女が立っていた。寮長の目はいつにも増して笑っていない。
「君は何をしたかわかっているか」
少女は怯えた様子だった。唇を震わせながら、呟く。
「嘘をつきました、嘘を、嘘をつきました」
「この寮でのルールは」
「嘘をつかないこと、です」
「そうだな、なぜ破った」
少女は黙った。寮長は黙ったままの少女を睨みつけ、
片手で首を掴みあげた。
「うぐっ」
少女の顔は白布で隠れているにも関わらず、真っ赤に染まっているようだった。
「たす、けて、く、ださい、」
「無理だ、ルールをやぶったからな」
寮生の前で晒しあげられる少女を誰もまともに見れなかった。
「離してあげてください、」
友達だろうか、涙目で訴える声が聞こえた。
「君も火炙りになるか?」
寮長の声は容赦ない。
その子は黙りこくってしまった。
「自分の命の方が大事だろ?こいつは、君を友達なんかと思っていない。」
「そんな、そんな、う、そ、だ、」
首を掴まれた少女は必死に叫ぶ
「君が彼女のためについた嘘は無駄だったんだ、彼女は周りの子と君について話していた、君のことなんて呼んでいると思う?」
寮長は間を長く置いて言った
「異端児」
耳元で囁かれた少女は、辛そうだった。
途端に少女の首を寮長は離す。
「おえっゲホゲホッゲホッ」
少女は苦しそうだったが、きっと白布の奥の目を見開いて言った
「私は、あんたが苦しんでるって言ったから、助けてあげようと思って、寮長に嘘を…」
涙目だった少女は何事も無かったように口を開く。
「あんたなんかどーでもいいの、私のおもちゃになってくれてありがとう!!私は正直者だから嘘なんてつかないわ!!最初からあんたのこと友達なんて1ミリも思ってないわよ!」
ケラケラ笑う彼女は醜かった。
一欠片の友情が刹那の如く散ってしまった。
4/28/2026, 11:07:33 AM