以前、TVの企画で紹介されていて気になっていた飲食店を探して、その記憶を頼りに現地へ向かっていた。
その店は、ホームページはおろか、地図アプリにも店名を表示させておらず、正確な場所が分からないのだ。見つけれた人だけが店に入れるのである。
TVで建物外観の映像は映っていたはずだが録画等はしておらず、店のある地区名だけメモしてあったのだ。
っと、どこからともなくいい香りが漂ってきている。もしかしてとその香りを追って1軒の家の前に辿り着いた。
普通の民家の様に見えるが、玄関ドアの上に【Cafe・家猫屋】と看板がかかっていた。
ここだ。とドアノブを回す。
入った先はすぐ小部屋になっており、壁に【ココは気まぐれなカフェです。次のドアを開ける前に下にある名簿に氏名の記入をお願いします。】と書かれていた。
なんか、注文の多い料理店って絵本があったなと思いながら名前を書き、次のドアを開ける。
そこからの記憶は、あまり覚えていない。
気が付いた時には財布の残金が残っておらず、服は毛だらけで、手にはチュールの空袋が握られていた。
この文章を読んでいる者が居るのならば、家猫屋には行かないでと警告しておこう。全財産を失うかもしれない。猫好きなら特にだ。
(行かないで)
注文の多い料理店オマージュと見せかけて、ただの猫カフェだった。
10/24/2024, 2:55:04 PM