ヨルガオ(短編小説)

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ピピピピッ ピピピピッ

ん…?なんでこんな時間に目覚ましかけたんだ…。

…あ、そうか。今日の夜、祭りあるんだった。

重い身体を無理矢理起こして、準備をする。

徐々に賑やかになっている通り。

楽しそうに金魚すくいをする子供。

ほのかに香る焼きそばとカステラの匂い。

友達に誘われて来たけど、来なきゃよかったか。

そう思いながら、友達について行く。

「あ、あれ。かえでじゃね?」

指差す方向を向く。

赤い光に包まれた彼女がそこにはいた。

水色の浴衣を着て、いつもとは違う髪型で。

あいつ…教室ではいつもおとなしいのに…。

彼女以外、僕には見えなくなった。


ーお祭りー

7/28/2023, 11:34:14 AM