「瞳をとじて」とあなたは言った。ㅤ目ではなく瞳と言われ、わたしはキョトンとする。「目と瞳って、どう違うのかな」「え、今そこ気になる?」わたしの項に手を置いたままあなたが笑う。「だってあんまり聞かないでしょう? 日常会話で瞳って」「言われてみたらそうかもだけど」ㅤ指先がわたしの耳を掠める。あなたが少し目を逸らす。密着した肩が熱い。ㅤ照れ隠しだってバレちゃってるかな。そう思った瞬間に、視界はぼやけた肌色になった。『瞳をとじて』
1/23/2025, 3:27:56 PM