何も考えずに旅に出た。
昔どこかで読んだ鳥居が108並ぶ東北L県の神社を目指す。その108の鳥居をくぐると澄み渡った空に出るという。そんな話が伝わっている。映えスポットらしいが、あまりにも地味で知る人は少ないという。
電車とバスを乗り継ぎ、物憂げな空の下に神社はあった。裏手の目立たないところに立て札があり、そこから進むと最初の鳥居がある。鳥居はまばらに2〜4メートルくらいの間隔で続き、登り降りがあるので20分は歩いた。数えながら進むが今数えた鳥居がくぐった鳥居か、これからくぐる鳥居かわからなくなった。空気も変わってきたようで、湿気を帯びている。そして最後とおぼしき鳥居は少し離れた高台にあり、そこに登ると目の前は絶景の海。眼下の岩に波飛沫があたり見上げるとどこまでも続く海原。
物憂げな気持ちは確かに消えていた。
何か自分の中にわだかまっていた諸々の緊張がほどけた気がした。
引き返す時に再び鳥居をくぐるが、この気持ちが消えないようにゆっくり歩いてみよう。
2/26/2026, 12:13:48 AM