浅瀬に浮かぶジャングルジムに手を掛けた。
先には広く海が広がっていて
二段も上ると、水面下の美しい町が一望できる。
片手を離し、風を受ければ、
海賊船の船長にでもなった気分になった。
たくさんの仲間を連れて勇敢に嵐の中を進んでいく..
海中都市なんて綺麗な言葉には騙されない。
水没したこの街のみんなに会いに行く勇気、
一体あとどれくらいしたら手に入るのだろうか。
日が昇り始めると水面に光が反射してやけに眩しくなり、もうひとつの世界は見えなくなる。
僕は毎朝、世界からただ一人分断されるような気持ちになるのだった。
誰もいなくなった船を行き場も分からず進める。
とってもとっても晴れた日に
9/23/2024, 11:51:19 AM