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嵐が来ようとも、私はここで待ち続けます。

何があっても約束を守って今日もここで

待ち続けて、貴方達との約束を果たすのです。

死んでも、霊になっても、この世界が荒廃しても

いつまでも待ちます。

寂しくても、心が壊れても

あの約束だけは忘れやしませんからね。




"もう千年待っていますよ、早く来て下さい。"



また、来なかった。遅すぎる。

でも似ている人が来た。

手紙を置いて、そして手を合わせて立ち去った。

その手紙を見ると私は愕然とした。

もう約束は守れないことを…。

でも理由を知れて良かった…。

内容にはこんな悲しいことが書いてあった。




"拝啓、貴女様、千年も待っていると

お爺ちゃんから聞いています。

貴女には事実を述べなければいけないと思い、

僕が代弁して手紙を書きました。

貴女が待つ三人は、無実の罪を背負って

打首になってしまったのです。

三人とも手紙を残していたのですがボロボロで

渡せない程でしたのでこの手紙で書きますね。

揃ってごめんなさい、待たせてばっかりで

一人きりにして、私達が死んでも

貴女は地縛霊になってしまってるんじゃない?

早くこっちにおいでよね。寂しいから。

自分勝手で申し訳ない。

これを書いている人にもすまんな。

それじゃ、またな。だそうです。

僕も貴女が上に行くことを願っています。

毎年お花をお供えしますね。

元気な時しか無理ですけど…。

ありがとうございます。"




なら、言ってくれよ…。もう…。

早く上に言って、お話したいなぁ…。

真実を伝える事を怯えてはならない。

真実こそ、嘘で包んではいけないのだ。

だからこそ、怖いものだ。

皆は、ちゃんと真実は伝えられてるかな?

7/29/2024, 10:22:23 AM