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 知っていた。識っていた。理解っていた。私が本当は、彼らと相容れる存在ではないことを。

 私と彼らと、いったいなにが違ったのだろう。髪だろうか。瞳だろうか。声だろうか。身長だろうか。それとも、なにか、私の知らないなにかが──彼らと私との間に、埋められない溝を生み出したのだろうか。私だって、薄皮一枚向けば血が出て、肉があって、更にその奥に内臓があることに変わりないはずなのに。心の臓器に動かされている肉の塊に過ぎないのに。
 どれだけ訴えようと/願おうと/望もうと/祈ろうと、彼らは私を受け入れるつもりがないようだった。それどころか、異物として排斥することさえあった。許せなかった。彼らを憎んだ。傷つけられた分だけ傷つけ返した。終わりのない復讐劇だった。
 だから私はひとりになった。それ以外に方法はなかった。──それだけが、わたしという生き物が、この世界で生きていく術だったのだから。

7/31/2023, 2:00:08 PM