ビルの隙間からかすかに見える光点。
それを星だと理解するには、ここは眩しすぎる。
店々を飾るネオンライトや看板。それらを避けるように路地を一本入っても、同じように明かりが続く。
ふらり。
導かれるようにとある店の看板が目に入る。
小さなスポットライトに照らされる看板。脇に立つフライヤーラック。
周囲のお店と変わりないような店なのに、何故か気になった。
地下に続く階段は薄暗く、普段の自分ならとても入ろうとは思わない。
けれど足を一歩踏み進めた。靴音が鳴る。
重ための扉を開いた。音と光が漏れてくる。
「いらっしゃいませ」
男性が気付き、こちらを振り返った。
柔和な笑みをたたえ、歓迎される。
「ようこそ。ここは欲望渦巻く星のない店。どうぞひとときの夢を――」
エスコートされた先は、外よりもまばゆい歌と踊りと演劇が織りなす絢爛豪華なステージだった。
/7/5『星空』
せっかくなので推しゲーオマージュ。
7/5/2023, 7:13:23 PM