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無色の世界 4/18 (木).

生きるのが怖い。そう感じてからのこと、世界から一気に色が消えてしまった。 

美しいと思えていたものにも、興味を惹かなくなってしまった。
空を見上げるのが、とても億劫になった。
友人の声も、うるさいとしか思えなかった。

目を開けているのが嫌になった頃、ぱっと思い出した。
小説、小説だ。

風邪で立てなかった日、暇な日、ゲームを没収された日、
休み時間、雨の日。いつも小説を読んでいた。
なぜ忘れていたのだろうか。

お気に入りだった小説を、ぺら、ぺら、と1枚1枚捲ると
鮮やかな色の表現、人の感情の美しさ、優しさ。
私が気付けなかったものや忘れていたもの全てが載っていた。

涙が溢れた。
この世界は私が思っている以上に美しい。一瞬一瞬の感情は忘れるべきではない。
色づいた小説を手に取り、私は世界をもう一度色づける為
空を見上げた。

4/18/2024, 12:32:05 PM