わたあめ

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床に伏せて外を見ていると寒空に枯葉が舞っている
間も無く閉ざされた冬がやってくる
外を出歩くことすらままならないこの身体
自分の命が永くないことを悟っている

山の中にひっそりと佇むこの家には、旅人や商人が宿を求めて我が家へ顔を出すことがあった
彼らの語る煌びやかな都の様子や珍しい土地や生き物たち、そんな話を聞くのが大好きだった
その後、彼らはどの様な人生を歩んだのだろう
彼らもすでにこの世を去っているのだろうか

チテチテとかわいらしい足音が響く
孫娘の寧音だ
手にもった紅葉や銀杏の葉を、私の枕元に並べる
「とてもきれいね」というと、にかっと小さな歯を見せて笑う

ひとりでこの世にやってきて、ひとりでこの世を去る
孫や子どもが産まれた時、どんなに嬉しかったことか。どんな気持ちで赤子を迎え入れたことか。
私がこの世を旅立った後、先に旅立った家族たちが笑顔で迎えてくれるのではないだろうか


『誰をかも 知る人にせむ 高砂の 
 松も昔の 友ならなくに』

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お題:意味がないこと

「意味があること」「意味がないこと」、それを分けること自体が無意味なのかもしれない

11/8/2024, 8:22:46 PM