落ち葉を踏む音、
小さな声が揺れる。
「見て、これ!」
手がひらひらと空を切る。
「うわ、冷たい!」
声が後から追いかける。
風が木の間を抜け、
落ち葉を舞わせるたび
「逃げたー!」と声が弾む。
「ちょっと貸して!」
手が伸びる。
「いや、まだ持つの!」
声が跳ね返る。
踏みしめた葉がパリッ、
チクチクした感触が指先に残る。
「でも面白いね、ふふっ」
小さな笑いが零れる。
息は白く、空気はひんやり。
「見えた?」声が枝をすり抜け
「え、どこ?」少し遅れて届く。
「ほら、そこ!」
手が振られ、葉が舞う。
「わー、飛んだ!」
声が波になる。
光が斜めに差し込み、
葉の色は金に揺れる。
「ねぇ、もっと上!」
手が空をかく。
「無理無理!」声が届く。
意味は揃わず、答えも追わない。
ただ、波として、声が重なり、揺れ、
落ち葉の香りと光と一緒に漂う。
過去に戻れば、私たちは困らなかった。
意味がわからなくても、理解より先に声を出し、
意味より先に反応を返し、
ただ並走するだけでよかった。
言葉になる前の原液、
予測不能な並走、
意味が必ずしも問われない安心感。
ああ、これが友達であり、
世界は完全に満ちていた。
それが、時間そのものの感度だった。
題タイムマシーン
1/22/2026, 11:20:14 AM