Akari✿

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胸の奥のもやもやを払いたくて
心が晴れるような調べを流しながら読書をしてみたり
大好きなワンコに寄り添うように寝転がってみたり
普段は観ないような恋愛映画を観てきゅんとしてみたかったのに
ときめくどころか泣けるシーンでもないのに涙が溢れてくるなんて

相当疲れていたんだと思う。心が。

何が原因って訳ではないけど、そういえば最近は何をしていても心から楽しいって思えていなかったなぁってその時になって初めて気付いた。

今夜は早めに寝よう

そう思いつつも無意識にスマホを弄ってしまう自分に思わず溜息が洩れそうになったその時

視界を捉えたのは一枚の広告だった。

金青の空に散りばめられた無数の煌めきが
まるで宝石のように輝いていて


──あぁ なんて美しいんだろう


思う前に唇から漏れ出た言葉。

それと同時に明日の予定をスケジュールに打ち込むと、瞬きすることすら惜しいとさえ思うほどに
その画から長い間視線を外すことができなかった。

先刻まで胸の内に侵食していた暗い靄はいつの間にか霧散し、運命なのか偶然なのか明日が最終日という展示会へ出向く楽しみができ、心が逸る。

高まる鼓動を抑えつつ部屋の灯りを消す。

瞼を閉じたその裏で尚、目を逸らすなと言わんばかりの眩さと神々しくもあり吸い込まれそうな妖しさを含んだ夜空は、いつまでも私を眠りにつかせてはくれなかった。


Theme/鋭い眼差し  


Writer/Akari✿

10/15/2024, 4:20:08 PM