🌿皆さんこんにちは🌿
本日、お届けいたしますのはいつもとは違う分類に属する詩でございます🍊
レモン彗星の正接近から久しいきょうこの日に、なぜ今頃になってこのような詩を投稿するのかお気になされる方もおられると思います。
それはーー忘れていただけでございます✨
あまり長いと話をしますと、飽きられてしまいますからさっそく読んでいただきましょう。読んでください。それでは、どうぞ🍀
『光の記憶』
茹だる暑さに肌を焼かれ、汗にシャツを重くした頃も遠に過去。
鮮やかな青の空に揺れる深緑の葉が、いまは橙を滲ませる。
低く走る陽の温もりも、時計の短針が下を向くにつれて山野に隠れる。
せっかちに冷たい空気が肌を撫でる。
薄ら黄金に、ひとつ、ふたつ、無数の煌めきが、瞬いては、雲を纏う。
白んだ月がふわりと浮かぶ。その淡さにーー風の音が、溶けた。
黄昏色に染まる空が、赤みを増して、静かに解ける。見上げた黒いパレットに微光が揺れる。
西に尾を引く薄緑色の強い瞬き。その美しさは、色とりどりの鱗を散らしているかのよう。
千四百年。眠っていた光が、いま、夜を脱い始める。
その姿に、心を激しく震わせ、言葉を失くした。
それは、幻を結んでいた。
北の風が、時折ふき荒む。両腕で自らを抱きしめると、彼方の輝きにため息がひとつ。
こぼれて、弾け、夜が応えた。
※
レモン彗星。次に相見えるのはーー千年後。
11/10/2025, 10:09:21 AM