ねーま

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向かい合わせ

僕は真夜中、恐怖の真っ只中にいた。
深夜3時を回った頃、僕はパチっと目が覚めた。
枕元の時計を見てあと4時間寝れると安心した。
体制を整えて仰向けになり天井を見上げた。
するとそこにはもう一人の僕が僕をじーっと見つめている。
動けない、声も出ない額には冷たい汗がじとっと吹き出している感じがした。
天井で僕を見ている彼は僕を睨んでいた。何も喋らない、表情も変えない。
ずーっと睨んでいた。そして彼は天井に吸い込ませるように消えた。

翌朝、起きたら布団に誰かバケツ一杯の水でもかけたかというくらいに汗でびしょびしょだった。
あれはなんなんだ。そんなことは考える暇も無く仕事に行く準備をし、家を出た。

仕事は今日も、散々だった。
ただただ自分のことが嫌いになった。
帰りの車の中で半分色んなことを考えながら運転していた。
その時ふと昨日の夜中に出た僕のことを考えた。
僕は僕の姿を客観的にじっくり見たことがなかったんだなと。僕はあんな顔をしていたのだなと。
あんな怖い顔をしてるとそりゃ人は寄ってこないなと。
どんなに辛くても笑顔でいなければいけない。
帰りの車の中でそう決めた。

8/25/2023, 3:46:59 PM