やわらかな光
忌々しい電子音が鳴り響く午前6時。
10月にはいった、といっても気温は夏頃とほぼ変わらないから、布団の恋しさはまだないので、まだ起きやすい。あくまで"まだ"だ。
緩慢な動きで体を起こして、太陽を睨む。気温は変わらないが、こいつの日の出の時間は遅くなってしまった。
夏は鬱陶しいと思うほど輝いていたのに、今はその輝きが半減している。しかも今日は土曜出勤。本当に会社を爆発したい。マジレスすると爆発したら自分が生きていけなくなるから困るんだけど。
身だしなみを整えるのも程々にして家を出る。
やる気のない挨拶が、部屋に淋しく響いた。
暖かい光に包まれて、目を覚ます。まだ寝ぼけているが、昨日帰ってきて、酒を飲み、そのまま寝落ちしたのを思い出した。となると今は日曜日。あの忌々しい電子音もならないし、日光に冷たさは感じない。昼間と朝の中間の、やわらかい、暖かい光だ。
ゆっくりと息を吸って、寝返りを打った。
最高の二度寝日和だな……。
やる気のない声が、部屋に溶けていった。
10/17/2024, 4:12:44 AM