NoName

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最後、だったのかな。
嗅ぎ慣れない匂いと、手に残る痺れと、呆然と立ち尽くして、拳を床に叩きつける彼ら。
見慣れたメンバーではあったけど、そこに彼がいないことは明白で。

奪ってしまった。刈り取ってしまった。

そう思う反面、漸く解放されたのかと安堵して。

最低だなぁ、なんて思うことさえ、どこか他人事で。

でも、俺の役目はまだ終わってないから。

それが終わったら、その時は、頼む。

”君と最後に会った日”は、君が全てから解放された日だった。



君と最後に会った日

6/26/2023, 2:03:23 PM