「よう相棒。いつにも増してひっでェ顔してんな。」
開幕失礼な事を言ってるこの男は†13†(サーティーン)だ。シーズンを一緒に駆け巡った私の相棒だ。
「あ゛あ゛あ゛!13!アダムのシーズンカード、出なかったあ゛ッ!!」
「マジかよ。日頃の徳が足りなかったんじゃねぇの?」
「そうやってケラケラ笑ってますけどね!私にとっちゃあ死活問題なんだよ!」
そう言うと13は不意に座り「来いよ。頭撫でてやる。」と言うと手を引っ張られて13の足の間にすっぽりと収まった。
すると、普段のようなわしゃわしゃっと撫でるような撫で方ではなく、子供をあやすような優しく一定のリズムでポンポンとする感じの撫で方だった。
「相棒、頑張ってたもんなァ。悔しいのはわかるが少し落ち着こうぜ。な?」
「でもさぁ…。」
「次のシーズンに期待しようぜ?」
「うん…。」
「そういやリリカ達がアップルパイ焼いてたな。焼きあがったらつまみに行くか。」
「…!行く!」
「ははは!相棒本当に食い意地張ってんな!」
「…悪い?」
「いや、悪くねェからもうむくれんなって」
先程までの悲しかった気持ちが嘘の様に無くなって元気になっていた。13といるだけで気持ちがこんなにも楽になるなんて、かなわないなと思った。
【心の健康】
8/13/2022, 11:38:32 PM