星羽 兼守

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「目が覚めると」

 一時期、眠るのが怖かった。
眠ると、二度と目が覚めないのではないかと思い、恐怖した。
眠って目が覚めて、周りを見て、生きてると思った。
 眠るのが怖いとも思った反面、目が覚めるのも怖いと思ったこともあった。
その時は夢を見ていた。
行ったことのない景色、二度と会えなかった友人と話した。
昔の知り合いが昔の姿で、でも私は今の姿で対面して、向かい合って話したりもした。
100%夢だとわかっていても、目が覚めなくないと思った。
 こんな矛盾を抱えて生きて、老人になって死ぬ間際に、私は何を考えているんだろう。
今は毎日、美味しいご飯を食べて働いて眠って、また働く。
その途中に、 嬉しいことも悲しいこともある。
が、 それはそれ、これはこれ。
私はそれら全てを、しばし楽しもう。

7/10/2024, 12:48:38 PM