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あの夢のつづきを まだ見ぬ景色 そっと です。

あの夢のつづきを

「好きです、付き合ってください」
大好きなキミに、僕は今、想いを告げている。
きっと顔は真っ赤だろうし、心臓もバクバクだ。でも、募っていく想いをなかったことにはしたくなくて、思い切って、キミに伝えていた。
「ありがとう…」
突然の告白に、キミもほんのり顔を赤くしながらも、返事をしようと口を開いてくれる。
「でも…」
「あ…」
また今日も、そこで目が覚める。
「あーあ。彼女、何て言うんだろうな」
現実では、告白する勇気は全然ない。
「あの夢のつづきを見れて、もし告白が成功しているなら、頑張って、こっちでも告白するのに」
いつもここで目が覚めてしまうことを残念に思いながら、返事をもらう前に目が覚めてしまうこと、告白を夢の結果に頼ろうとする自分にモヤモヤしながら、起き上がるのだった。

まだ見ぬ景色

「うーん、癒される」
僕がいるのは、僕のお気に入りの場所。
疲れたとき、悲しいとき、楽しいとき
暇さえあれば来てしまうほど、気に入っていて
「よく飽きないね」
と言われることもあった。
「もし僕に大切な人ができたら、ここに連れて来たい。
きっと、いつもとは違う風に見えるんだろうな」
2人で見る、まだ見ぬ景色を想像しながら、1人で見る景色を堪能したのだった。


そっと

「あーもう」
何度部長に提出しても
「やり直し」
突き返される書類を前に、俺はイライラしていた。
「何がダメだって言うんだよ」
自分では悪いところがわからず、イライラが募るばかり。
「少し休憩して来いよ」
同僚に肩を叩かれ、俺は静かに席を立った。
「…見てわかるくらい、イライラしてたのかな」
屋上の柵にもたれ、青い空を見上げると、少し、気持ちが落ち着いてきた。
「…焦ってたのかな」
何度提出しても返される書類。早く受け取ってもらいたくて、焦って上手くいかなかったのかもしれない。
「その通りだな」
独り言のつもりに、背後から返事が聞こえる。
「部長」
振り返ると、近づいて来ていたのは部長だった。
「ほら」
部長は、俺の前で立ち止まると缶コーヒーを差し出してくる。
「あ、ありがとうございます」
俺が缶コーヒーを開けると、部長も持っていた缶コーヒーを開けた。
「…落ち着いたか?」
「…はい」
「お前が仕事に真剣に取組んでいるのはわかってる。焦らず、落ち着いてやれば、必ず良い結果が出るから。期待してるぞ」
そう言って、部長はそっと背中を叩く。
「はい。頑張ります」
いつでも俺たちのことを気にかけてくれる部長のためにも、仕事を頑張ろうと思うのだった。

1/15/2025, 9:57:58 AM