道端に咲いている花を見つめる。何気無しに走っていった子供達が花を踏み潰していった。
「あ……」
小さく声が漏れる。踏まれた花は萎れて俯いたまま戻らない。萎れた野花にゆっくり手を添える。
……添えていた指先から段々と透明になって花に触れられなくなる。
「もうお迎えか……。早いな」
やりたい事、沢山あったのに。まぁでも道を外れた車に轢かれて即死。痛みを感じる間もなく死ねただけマシかな。
次ここに花が咲く頃には自分もまた
また、
……。
「……まだ、生きていたかった」
『花咲いて』
7/23/2024, 10:49:17 AM