こんな話がある。
都会で生まれ育った子供が、田舎の満天の星空を見て口々に「気味が悪い」と言ったらしい。
きっとその子供たちは、生まれた時から瘴気で覆われた空を見てきたのだろう。そして、他の地域の空には、こんなにもたくさんの星々が輝いていることを知らなかった。
こんなに残酷な話が、あっていいのだろうか。
誰の心も等しく照らしてくれる星は、誰にとっても美しいものであってほしいと、私は思う。
学校の帰り道、1人で見上げた空。夕焼けに夜の帳が下りてきて、一番星が光を放ち始める。
修学旅行の夜、友達とベランダで眺めた空。濃紺のベルベットの絨毯に、うっかり真珠をこぼしてしまったみたい。そう言って笑い合った。
星が溢れそうなこんな夜は、夢の中で星空の中を散歩してみたい。誰か、大切な人と。
こんなふうに、私にとっての星空は、いつまでも美しいままだ。
3/15/2024, 1:22:26 PM