ちょっと出かけて戻ってきたら、
『土星のリングにサイクリングに行ってきます。』
というメモが残されていた。
これは即ち僕にも来てほしい。という意味だ。
「しょうがないな。」
とボートを出して、土星に向かう。
土星はけっこう大きいから、リングに近づいて探す。
ぐるぐるぐるぐる。
何周かしてるのに出会わない。
おかしいな?
土星に隠れたリングの反対側で、おんなじ速度で自転車に乗って移動しているうさぎが一羽。
見かねた土星はふう、とため息をつき、レコードのようなリングに針を下ろす。
〜♪
リナ・ケッティの『待ちましょう』が流れる。
だけどもうさぎたちはどこ吹く風で、
一羽は音楽にのって楽しそうに、一羽は頭に??を浮かばせながら、
ぐるぐるぐるぐる、ただただ廻り続けるのでした。
「すれ違い」
月の上シリーズ #7
9/11「カレンダー」
9/17「花畑」
9/19「夜景」
9/28「別れ際に」
10/1「きっと明日も」
10/11「涙の理由」
10/20/2024, 7:39:48 AM