「終わりにしよう」
君がいつかに言った言葉
結局僕らは終わらなかった
終われなかった
ズルズルと あるいは ゆるゆると
くだらない夜と約束を重ねた
僕らは向かい合っている
静かに雨の降り注ぐ中
いつも君が僕に差し出す
桜色の傘の下で
瞼を閉じて
ただ君の話す声を聴いている
僕は自棄になって君に言った
「どうしてそんなに君のことを教えるの」
君は寂しそうに答えた
「私のことを知って欲しいからだよ」
君は僕によく言った
「ねえ君はどう思うの」
僕はその度言葉に詰まった
自分の感情を言葉に出すのは
あまりにも難しいから
君はいつまでも待っていた
いつか終わりが来た時
僕はこの日々を胸のどこにしまうのかな
怖いくらい鮮やかなこの日々を
振り返る度泣きそうなほどに脆い
奇跡のような日々を
7/15/2023, 6:38:34 PM