[※hrak二次創作/A成代/FGO×hrak.2/BLD?]
《諸注意》
※最早別人(キャラ崩壊)/型月産A(中立・中庸)/尻切れトンボ/リハビリ品/
※BLD……?(保険)
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[まだ続く物語]
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突然だが、自分は常から悲観的なことを考えている訳では無かった。どちらかと言えば、普段は感情の揺れがあまり大きくない方だと認識している。ただ時折り酷く気分が落ち込み思考が深く沈みきってなかなか戻らないことがあるだけで。
『それってアレっスよね、"鬱"ってヤツっスよね?』と余計なことしか言わない贋作の"青い駒鳥"をはたき落としたことは一度や二度じゃない。医者にかかれる立場でも無ければ、医者は医者でも自分の近くに居るのは、嬉々として身寄りの無い生きた人間や死体を弄くり回して人造人間を量産していた闇医者だけである。しかもこちらに異様な信仰心染みたぐちゃぐちゃな感情を向けているタイプだ。下手に弱みを見せていたらこちらが無事では済まなかっただろう。何を言いたいかと言うと、まともな医者の診断無しに『鬱病』とは言い切ってはいけないという話である。何分、自分は後天的にではあるが『精神破綻者』と呼ばれる側の人間なので『正常』からは程遠いと自覚はしている。しかも一度死んだくらいでは治らないらしく、意図せず"二度目の人生"が始まっても便宜上『鬱』と称するこの症状が消えることは無かった。
長い長い、本当に"永い"タスクをようやく消化して、自分を打倒した相手へ消えるまでの僅か数秒に、最期の賞賛を贈って自分────"俺"の幕は閉じたのである。『並行世界の自分』であればきっと往生際が悪いどころの話では無いだろう。さすがの俺でも"アレ"には何とも言えないが、強いて言うなら『情緒が育ってなさ過ぎでは???』だろうか。寂しがり屋だの愛だの何だの自覚が遅過ぎて臍で茶が沸きそうである。……まぁ、実際にできる人間が居るだろう世界では通じない慣用句かもしれないが。
俺が必ず消化しなくてはならなかったタスクとは『自分が巨悪として死ぬこと』だ。要は『並行世界の自分』と同じ結末を迎えなければならなかったのだ。やりたくもなかったし普通に生きて普通に死にたかったが、『世界』はその役を同一存在の俺を"他所"から引っ張って来て押し付けた訳である。しかも万が一にも『巨悪』が勝った場合、『並行世界』の結果に上書きした上でまとめて『剪定』されるというクソみたいな敗北条件付きだった。だと言うのに自分の周りに集まってくる人間はどいつもこいつも『巨悪』を勝たせようとするいろいろトチ狂ったヤツしか居ないという、心底要らないおまけまで付いてくる始末。
────いやもう俺にどうしろと。
当然最初は抵抗し続けたが、何をしても修正力が働き強制的に同じ、もしくは似たような結果に集束するのだ。さすがにそれが何回、何十回、何百回も続き、精神的に限界だった自分の心は、ある日呆気なく折れた。そして抵抗を諦めた俺は非常に業腹だが、仕方無しに『並行世界の自分』を出来る限りエミュレートする方向へと切り替えたのである。ただまぁ割と判定は緩かったようで、ターニングポイントで"似た事象"さえ引き起こせば掻い潜れると気付いてからは、どこぞの"人形師"や"前世"の職場で技術顧問を務めていた人物の真似事をして、自分の本体は二度と開かない地下深くにコールドスリープ状態で放置した。ちなみに仮に誰かが行き着いたとして、正しい手順で解除しないと肉体が急速に腐り落ちる仕様だ。そうした理由としては、いろいろと厄ネタが過ぎる身体且つ周りが信用ならないのと、シンプルに生身の肉体一つではタスク全てに手が回らなかったからである。寝ている間に何かされる可能性とタスク消費中に行動不能になる危険性を考えたら、低スペックでも行動できる"子機"が複数あった方が良いと思ったのだ。まぁ、早く消化できるならそれに越したことは無かったので、オールマイトから致命傷を貰ったときは『やったぜ俺は寝る(永眠)!!!』などと四徹明けに似たテンションで内心舞い上がっていたのだが。なので意識が浮上したときの絶望感が凄まじかった。『何で延命しやがったんだコイツ』と呪詛を吐きかけたのは言うまでも無い。慌てて接続を切っていたもう一体の"子機"を再起動させ、タスク処理を再開させた訳である。ちなみに俺を延命したのは件の闇医者なのだが、顔が潰れてても気にしないのか、……手つきが、大分……怪し、かった、とだけ言っておこうと思う。正直このときほど視界が無くて良かったと思ったことは無い。未経験では無いが好きでもない他人にそうやって触られるのは苦痛でしかなく、直でそんなものを見ていたら多分もっと精神が駄目になっていただろう。閑話休題。
そうして、まぁ、『並行世界』よりは多少マシな形で『同じ結末』を迎えた訳である。『(必要だと理解しているけど)修正力って本当にクソだな』と何度思っただろうか……もう終わったことだが。
「いやぁ、まだ終わるには早いんじゃないかな?」
────は?
閉じたはずの意識が浮上し、"目を開けば"視界には淡紅色の花が一面に広がっていた。……目を開くって何だ、身体はもう無い筈なのに。鈍い思考のままに"両手"を見てみると、掌の中心にあった穴は影も形も無かった。というか、この身体────。
ふと背後の気配に気付く。振り返ると、そこに立っていたのは身の丈程もある杖を手にした白いローブの男────『花の魔術師』マーリン。
「やぁ、久し振りだね"レイジ"。いや、今は"ゼン"と呼ぶべきかな?」
「……どちらでも。好きに呼べば良いじゃないか」
「なら呼び慣れたレイジにしよう。──ところでレイジ。君また"諦めた"のかい? いけないなぁ、その諦め癖はいい加減に直さないと大目玉を食らってしまうよ」
「……君の大好きな"ハッピーエンド"じゃないか。それに死んだ人間に大目玉も何も無いだろう」
「でもそのエンディングに"君"は居ないじゃないか。──それに、何も無いなんてことは無いさ」
「何……」
「"零治/レイジ"────いや、"然/ゼン"。"ありのままの君"は、君が思っている以上に他人に好かれる人間だよ。だからこそ、君の"友人"はその名前を贈ってくれたのさ」
「それに……どうも君とは違って諦めの悪い子が居るみたいだ。いやァ、君って前から思ってたけど罪深い質だよねえ」
「待ってくれ、どういう────』
「僕はハッピーエンドが好きだからね、このくらい強引じゃないと君はまた諦めて妥協しちゃうだろう? だから便乗させてもらったのさ! ────さぁ、もう一度。今度は"自分だけの人生"を歩むと良い。君の幸運を祈っているよ」
[まだ続く物語]
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習作(定期/いつも通り勢い)
思い付いたものを全部書いてたら怪文書になった挙句、終盤で地の文が書けなくなって着地点を見失いました()
実はこの後にも書いてましたが時間が足りなかったのとお題から逸れている気がしたので全カット(機会があったら書き切りたい)
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5/31/2025, 9:43:24 AM