冷たい。寒い。
冬の夜のベランダでそんなことを考える。
部屋の中には母親と知らない男がいて、肉と肉がぶつかる音と、男女の甘い声が聞こえてくる。
いつもなら母親が男を連れてくる時はちゃんと出掛けていたのに。おかげで狭いベランダに締め出された。防寒具なんてない。
肉のついていない体と、ペラペラなシャツではこの夜を乗り越えられるわけがない。
目を開ければ星空が広がっている。綺麗だなんて今の自分には思えなくて、冷たい風と星の眩しさが嫌になる。
僕はただ1人孤独に朝を待つ。
きっと、世界は寒くて凍えてる僕よりも、この輝く星空に注目するから。
12/2/2025, 9:19:20 AM