川柳えむ

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 あのこがいなくなって一週間。あれから初めて夢を見た。
 それは、あのこが帰ってくる夢。いつものようにソファでくつろいでいた。
 あぁ、帰ってきたんだ。元気なんだ。良かった……。
 心からほっとした。
 でも気付いてしまった。これは夢だって。
 だって、たしかに見たから。あのこが灰になるのを。煙が天へ昇っていくのを。
 ソファでくつろぐそのこを優しく撫でた。気持ち良さそうに目を細める。相変わらず柔らかい毛並みをしていた。

 朝、目が覚めると、泣いていた。
 あのこは優しかったから。
 きっと、私がいつまでも悲しんでいるから、励ましに来てくれたんだろう。

 いつまでも大好きなあなたのこと、忘れないよ。

 ちなみに、またその次の日も夢に出てきた。そして「お供え物をもっと美味しいご飯に変えてくれ」って訴えてきた。
 なんともあのこらしい……。
 ちょっと元気が出て、ふふっと声が漏れる。
 次、目が覚めたら、今よりもきっと笑えるはずだ。


『目が覚めると』

7/10/2023, 10:09:45 AM