遠い鐘の音
朝六時の鐘の音が遠く聞こえる。あれは山の上の寺から聞こえてくる鐘の音だ。僕はこどものころからあの音を聴くと不安になった。でも僕以外の人はあの鐘の音を聴くと安心する、癒されると口にするのだ。なぜ僕はあの音を聴くととても嫌な気持ちになり落ち着かなくなるのか。なぜ僕以外の人はあれを聴いて落ち着くのか。
長じて僕は、人が落ち着く周波数というものがあるのを知った。432Hz、ドレミでいうところのラより少し低い。僕はその音を聴いて頭を裏返して掻きむしりたくなるほどの不快感を覚えた。あなたには心地よいあの音が僕には悪夢だ。鐘の音がまだ遠く聞こえる。僕があれを叩き壊しにいかないことを神に…いやあそこは寺だから仏か、とにかく感謝してほしい。
僕は僕を癒す音を探すつもりだ。その音が全世界の誰にとっても不快な音だとしても。
☆☆☆
おまけ独白
こういう場所で「偽善者ども」みたいに書く人を見つけて頭をなでなでしたくなった。愛いやつ愛いやつ。私はこういう場所でわざわざこんなもの書いて少しの♡がつくと喜ぶ俗物なんだけど、でも、ネガティブなものを書いてるつもりはない。
12/13/2025, 1:18:35 PM