昔、好きだった童話がある。
この童話の世界には、暴虐を尽くす王様から民を守る、4人の騎士の話。
彼らに名は無く、代わりにそれぞれ東西南北と呼ばれていた。
私は、その中でも南の騎士が大好きだった。
彼は、4人の中で最も強かで敵だろうと味方だろうと容赦はしない。
彼には、柔軟な体術と鋭い洞察力を持ち、文武両道の強さがあった。
何より、決して子供を殺さない。
常に弱者の味方でありながら、冷酷さも持ち合わせている。
矛盾した強さを持つ、彼に幼い私は憧れた。
6/15/2024, 4:10:17 PM