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「んだよこれ、こんなもん要らねぇ」
『私、頑張って選んだんだよ...?』
その時私は知らなかった。彼がプレゼントを嫌うなんて。
『ミヒ!これ、ミヒのために買ったの!受け取って!』
私はその時、彼 とお揃いの ネックレスを買って、渡してあげた。
どうしても彼とお揃いのものをつけたかった。
そして、初めに戻る。
「んだよこれ、こんなもん要らねぇ。」
『私、頑張って選んだんだよ...?』
「頑張って選んだからなんだよ、
しかもスパイクや、サッカーに必要になるもんならまだしも、ネックレス...?
試合中つけらんねぇし、邪魔になるだけだな。」
「こんな、何もわかってねぇのに感謝求めて
渡してくるからプレゼントは嫌いなんだ。」
ショックだった。ミヒなら喜んで貰ってくれると思ってたのに。
「とりあえず要らねぇから。今からチームで飲みに行ってくる。
家事しとけよ?🌸」
『ねぇ...!ミヒ...!』
バン、という音と共に、私があげたネックレスは、紙袋から出されもせず、床に投げ捨てられてしまった。
いつもなら、通訳イヤホンを外して、まだ慣れていない日本語で、
「イッテきまス」
と、言ってくれるミヒも、今日だけは何も言わずに出ていってしまった。
自分だけがつけていたネックレスも、
涙で濡れて気持ち悪い。
今回は私が悪かった。わかっているけれど
(このネックレスの先のハートは、これからもずっと完成することはないんだろう。)
そう思うと余計に涙が溢れて来てしまうのは、今日だけは許していて欲しい。
8/16/2024, 8:02:55 AM