:初恋の日
しらないせかい、つれていってくれた。
ずっとあたまがいたくて、ずっとめをつむってばかりで、くらくておもいせかいから、まぶしいみちなるくうかんへつれていってくれた。
ふわふわまほうのじゅうたんにのって、みつのようなあまいけむりがじゅうまんして、ぎらぎらかがやくうちゅうへとんで、まーぶる、まーぶる、せかいがはでにいろづいて、うえへしたへみぎへひだりへぜんしんがみょんみょんのびてゆがんでいって、いろんなほうへはじけてひろがる、あたまがじゆうになっていく。
ときのながれがおそくって、べつのくうかんにいるみたい、とけいのはりがぼやけてて、すすまない。ああ! えいえんがここにある! ずっとこのままみをまかせ、いろんなせかいへ、ずっと、ずっと、とばしとばされ。
ほしのなかへとびこんで、カンカンカン、へいこうかんかくなくなって、このさきつづくどこまでも、あるいてあるいてヒュウヒュウヒュウ。からだのかんかくなくなって、うまくうごかなくなって、それがなんだかへんてこで、ここちいい。
あおいつららがつらぬいた。ちかちかひかってしろとんで、すっぱいにおい。しろくなって、ちゃいろくなって、くろくなって、黒くなって、黒く、重く、臭く、頭がかち割れる、胃が回る、喉が熱い、痛い、気持ち悪い。どこか、どこか、どこかへはやく。
てさぐりでさがすはつこいのひ、またしらないせかいへつれていって。
5/7/2024, 4:55:26 PM