てふてふ蝶々

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もうすぐ夏休みも終わる。
去年のお盆明けに川に転落死をしたおじいちゃん。
お盆明けというなんともなタイミングで死んだおじいちゃん。
わりと近所に住んでたし、転落した川に来てみた。
土手に座ろうと思ったけれど暑くて無理。
仕方ないから橋の下の日陰に行くと、ドーンと大きな音と光で近くに雷が落ちたよう。同時に豪雨。
もう、毎年の事だしちょっとやそっとじゃ驚かなくなった。
川の水が急に増えたりしないかなぁと、辺りを見渡すと、川の反対側にカラスが一羽雨宿りしている。
カラスと目が合ってる気がする。
じっと見つめ合うカラスと私。
カラスと目が合った時、逸らした方いいのか逸らさない方がいいのか…
まぁ、カラスから威嚇する様子もないし。大丈夫かな。
河原の石の上に腰を下ろして、川を眺め、雨を眺め。
カラスもアッチへチョンチョン。コッチへチョンチョン。すると、雨の当たらないギリギリのところで立ち止まる。
カラスの家がある方なのか心配そうに森の方を眺めている。
その姿が、なんとなく家を守ろう。家族を守ろうとしているように見えて、なんとも綺麗。
凛とした佇まい。じっと遠くを見つめる強い目。
カラスのくせにカッコいいじゃないか。
きっとオスだな。
嫁カラスと子カラスの心配してるんだな。
と、勝手に想像する。
私にはお父さんがいない。だからおじいちゃんがお父さんみたいな感じだった。
こんな風に雷がなると、『大丈夫?』って電話を毎回かけてくれてたおじいちゃん。
小さな頃、雷が怖くて泣いていた私のままだと思ってたんだよなぁ。
おじいちゃんに会いたいなぁ。
カラスのお父さんよ、子は成長するからね。カラスの人生楽しんで、長く生きてくれよーと。
未だにじっと動かず雨に佇むカラスにエールを送る。

8/28/2023, 4:12:21 AM