とある恋人たちの日常。

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 遅い冬休みで恋人と日の出を見に来た。
 早い時間に眠り、日の出に備えただけあって暗い時間に目を覚ます。
 
 日の出を迎えるには、まだまだ早い時間。
 俺が飲みものの用意をしていると、彼女がカーテンを開けた。
 
「わぁ……」
 
 彼女が感嘆の声をつく。
 
「見てください!! 月と星のかけらがキラキラしてます」
「どゆこと!?」
 
 彼女の言葉に驚きながら、暖かい飲み物を彼女に渡しつつ隣に立った。
 視線を彼女から窓の外に向けると、月と星が水面に反射してキラキラしている。
 
「すごっ……」
 
 日の出を見るために選んだホテルはオーシャンビューだから、日が入る前の暗い海に輝きを放つ。
 
 確かにこれは月と星のかけらが輝いているように見えた。
 
 彼女が自然と俺に身体を寄せてくれる。
 
「ここから日の出が楽しみですね!」
 
 彼女の腰から抱き寄せると視線が絡み合う。自然と笑顔になってから、もう一度海へ視線を戻した。
 
「そうだね」
 
 
 
おわり
 
 
 
二三八、星のかけら

1/9/2025, 2:01:31 PM