ある日のわたし

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贈り物の中身

どこまでも どこまでも
深々とした長い漆黒の髪と凍てつく暗黒の双眸
人さえなのか不明なほどの美しい姿見
そして、唇が怪しく歪むそれは愉しそうだ
『悪魔』
そうワタシは認識した
『へぇ…この姿を見ても冷静さを失わないんだねぇ。いいねぇ。そんなキミに贈り物をあげよう』
「贈り物?ワタシに?」
忽然と黒バラが悪魔とワタシの間に現れる
バラの花弁に月の光を閉じ込めたように煌めいて宝石のようだ。
だけど
『綺麗だろう…さぁ手を取りなさい。キミのだ』
「いらないわ。いま忙しいの。それとも手伝ってくれる?」
そう。ワタシはいま忙しい。
全てを捨てようとしていたから
この世に恨みしかなかったから
もういいやと思ってしまったから
『いいのかい?こんなに美しく無垢なのにねぇ
じゃあ 食べていいよね』
バリン!
砕け散る黒バラが灰色に変わり消え去っていく
「?!」
ワタシの意識が薄れていく感覚だけが侵食して
無に帰って逝く
『キミの魂は美味しいねぇ。』
あゝ『死神』だったんだ…
最後の贈り物はワタシの魂
ダイヤモンドみたいに綺麗だったな……
宝石の意味は確か__

12/3/2025, 5:52:54 AM