灰田

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「月に願いを」

…さまようことも出来ない。と。
街の灯があふれる中で、月を仰ぐ。
願いをかけたことはないけれど、
味方、だとどこかで思っていた、月。

…それが、願いだったのかな。

月は私が、見あげるのを待っていた。
本は、私に読まれるのを待っていた。
あなたは、私が帰るのを待っていてくれた。

どこかでフッと、思う孤独を、
受けとめてくれるものが、
どうしても人には必要だから、

在る月。

5/26/2024, 10:49:26 AM