クレアの視線に気がついて、ペロスペローは彼を見やった。何か気になるものでもあったろうか。ずっと陸で暮らして来たらしい彼は、船にはあまり馴染みが無いようだから。ペロスペローがすぐに通り過ぎてしまったところも、彼には気になるのかもしれない。何か言いたげにしているのを、「どうしたんだ?」と尋ねてやると、しばらくもじもじした後に口を開いた。
「ねぇ、ペロスペロー。僕ら、友達?」
ぱちりとひとつ瞬く。
「そうだろ?」
急な問い掛けに驚きつつも肯定してやれば、クレアは「そっか」と呟いてふわ、と笑った。そういえば、弟達に友達の話はしても、直接彼にそう言ったことは無かったように思う。これまで友達なんて作らなかったからうっかりしていた。
10/26/2023, 12:15:04 AM