暗闇が怖かった。
日が暮れるのが恐ろしくて……、一時期は夜に寝つけぬほどだった。
恥ずかしながら、今でもやはり一人だけの夜は怖い。
ただ、昔から冬の夜の空は好きだった。
幼い頃、いつも母に車で迎えに来てもらっていた。
その時間帯の冬は、もう訪うに日が暮れ、辺りは夜のように暗かった。
駐車場から家までの少し歩く距離の道。
空を、見上げる。
其処には、ネオンブルーのアパタイトが細かく砕け、
金青色の夜空、いっぱいに散らばり……輝く、数多の星。
その光景は、冬の厳しい寒さを忘れるほどに、脳裏に深く焼き付くほどに、
鮮烈で、美しかった。
9/18/2023, 2:45:14 PM