あじゅ

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ひとでなし。きっと、私を指すための言葉。
初めに言ったのは、いったい誰だっただろう。両親の葬儀の時か、クラスメイトと言い争った時か。兎に角、産まれて此の方感情の高ぶり等というものを感じた事の無い私をひとでなしと表現するのは妥当だと、子供ながらに思ったのを覚えている。
そう、何も感じない。その筈なんだ。今、握られた手が酷く熱いのも、心臓が嫌に速く跳ねるのも、喉が渇いて言葉が出ないのも、きっと、何かの間違いのはずで、だから。

――また、あなたに会いたいです

そんな優しい顔で笑わないで。私は、貴方なんかに会いたくない。これ以上、掻き乱されたくない。人になんて、なりたくない。ひとでなしであり続けたいのに、貴方が不安そうな、そんな顔をするから。
「……たまに、なら」
笑ってほしいと、思ってしまった。もう、戻れないと心が叫んでいる。嗚呼、本当にどうしてこうなってしまったのだろう。

1/14/2026, 9:42:52 PM