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 言わずもがな、となりに彼が居ると心がぽかぽかと温かくなって擽ったい。ぬくもりに身を委ねると、最後には眠くなるというおまけ付きで私は彼に好意と『安心』を抱いている。
 

 すやすやと俺の肩に頭を乗せて寝てしまった君。信頼してくれていることに安堵しつつ、もしかしたら君は他の人にも無防備な姿を見せている?俺以外に穏やかな寝顔を見せているかもしれない。考えだすと黒い感情が渦巻いて『不安』になった。
 弱さも強さも知っている、好きでたまらない相手。好みに嫌いな物は自然と覚えている。過ごした日々はまだ浅いが、それはこれから増やしていくつもりだ。


 心地よく眠っていたのに夢見は良くない。彼が仕事の付き合いで女性と歩かなければいけない時、わかる範囲で教えてくれるのに私の心は滅茶苦茶で肺と胃の中間がぎゅっとなり、食事が喉を通らなくなる。
 私が彼にどっぷり依存している証拠、もしかしたらと『不安』で気持ちが沈み込んでく。面倒臭い女だと思われたくなくてでも誰かに取られてしまうのは怖くて、

「これからも傍に居て」
静かに目を開けて彼にそう告げる。重いかもしれない。

「君の隣は俺だけの場所だよ」
 独占欲を隠すことなく君と自分に言い聞かせ、君の本心が聞けた嬉しさに俺は『安心』を得た。




1/25/2023, 11:46:17 PM