ほら、こんなにも綺麗な夜だから。
今日だけは特別だよ。
そう言ってその人は僕の手を握り走り出した。
足取りは軽やかで、一歩踏み出す度に髪の毛がふわりふわりと跳ねる。
そのままらんらんと綺麗な鼻歌が聞こえてきて、それがとても楽しそうで、たまらず僕はいきなり走り出すことになってバラバラと動かすしか無かった足をしっかりと直しその人と同じように走り出した。
楽しいね!
うん、楽しい!
それはよかった! お星様には近づいてはダメだよ、みつかってしまうから!
体の横でキラキラと眩く輝くそれはお星様の光だったみたいだ。
みつかってしまったらどうなるのか、問いかけても答えはくれなかった。でもいいと思う。今はこの手に導かれるまま、星の間を縫っていよう。
夜空を駆ける
2/21/2025, 4:15:55 PM