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暗闇は恐ろしい。周りに何があるのかわからない。
誰かが近づいて来てるのかも知れないし、うかつに歩こうものならつまづいて転んでしまうかもしれない。そう、何があるかわからないから恐ろしいんだ。

でも、暗闇の中で佇んでいると、恐ろしさの傍らで
妙に安堵している自分がいる。
きっと体中の感覚が視覚の代わりに最大限の情報収集を行っているんだろう。

大丈夫だ。ここには危険はない。全身の細胞達がそう意識に語りかけている。
頼もしいって思う。まるで打ち込まれてフラフラになったボクサーを励ます名セコンドだ。

そしてその安堵感の内で意識は自分の内面と対峙する。自分の内面と向き合う事は恐ろしい。
でも大丈夫だ。俺達がついてる。背を押し支え、膝をつけば肩を貸そう。身体中の細胞達が言っている。

暗闇は意識が決して孤独ではないことを教えてくれているのかもしれない。

そんな事を真っ昼間に書いている。

10/29/2022, 1:01:10 AM