喪失感
私(悠)は喪失感に見舞われている。何もかも心から楽しめない。
事の発端は3ヶ月前の恋人(蒼依)との破局である。当時付き合っていた蒼依とは高校1年生の7月から1年ほど付き合っていた。
蒼依と別れて2日間くらいは落ち込んでいたが、友人(千尋)が励ましてくれて何とか気持ちを立ち直すことが出来た。
しかし、ここからが始まりだった。
励ましてくれた千尋は私の幼稚園からの幼なじみで、1番気を許している相手だった。千尋は私と蒼依の橋がけをしてくれた。千尋のおかげであんなにスムーズに付き合えたのだと思っていた。
だが、私は聞いてしまった。
蒼依「全然好きになれなかったよ笑 まあ何でも買ってくれて最高だったけど笑」
千尋「そう!悠って顔良くないからねー何でも買ってって言えば買ってくれるよね笑笑」
蒼依「友達にもそうなんだ」
千尋「うんまあ友達じゃないけど」
蒼依「え幼なじみじゃないの?」
千尋「親同士が仲良いからいやいやね」
蒼依「クズー笑笑」
千尋「お前も言えないわ笑」
この一瞬の会話で私の心はズタズタにされた。その場から離れたくても足が動かなくてずっと会話を聞き続けてしまった。
千尋「てかなんで急に別れたの?もっと色々貰っとけばよかったじゃん」
蒼依「普通に好きな人出来たから」
千尋「へーだれ?」
蒼依「千尋」
...
千尋「えーいきなりいつから?」
蒼依「んー2年になってからかな」
千尋「付き合う?」
蒼依「いいの?」
千尋「うん笑ちゃんと言って欲しい」
蒼依「そっか笑」
...
蒼依「好きです付き合ってください」
千尋「はいお願いします」
笑
私は5時間目には出ないで早退した。
その日はずっと泣いていた。あんなに心を許していた千尋の本当の気持ちを聞いて裏切られたようだった。蒼依は私を好きではなかったことに傷ついた。そして、欲しいものを何でも買ってくれる人と思われていたのが悔しかった。私はあの一瞬で心がなくなってしまった。人を信じる心を見失ってしまった。
9/10/2024, 3:23:20 PM