彼女は由美と弘子の傍を離れると夢の世界へ行ってしまう。まるで僕なんて、公園に打ち捨てられたプラスチック容器と同じだとでも言うように、彼女は僕を知ろうとしない。ありふれたカフェに彼女と僕は向かい合って座っている。彼女はにっこり笑いながら、黙りこむ。「何を考えているの?」僕が声をかけた途端、彼女は口を横に結び、憮然と僕を見た。裏切った人間を非難するように素っ気なく呟く。「由美のことを。」「弘子のことは?」彼女は答えない。
12/10/2024, 1:04:42 PM