メールからLINEになって、格段に些細な連絡がしやすくなったように思う。
今日の天気、食べたお昼ご飯、練習での質問、そしておやすみまで。
近況をどちらも送り合っていて、物理的に遠く離れている距離が、まるで隣の部屋にいるようなそんな親しい間柄になれたとそう思っていた。錯覚してしまっていた。
常に上にあった名前も他に誰かマメに連絡を取るわけでもないのに、今は下の方へ下がってしまっている。
つい、と指が避けてしまっている、『開けないLINE』。
スタンプではなく、「好きだよ」と打たれた文字は1週間前に届いたのに。
相手の真意がどうしても分からなくて、既読を付けられないでいる。
急に途絶えさせてしまったのに、宛先間違いなのか、そもそも何が好きなのか続けて送られる言葉もなく、たった1件の思いがそのまま残してしまった。
送られてくる言葉も写真も嬉しくて、柄にもなく返すようにしていたのに裏切られたような心地ですらいた。
なのに文句のひとつも言えない自分に腹も立つ。
ふう、小さく息を吐く。
それでも開けない。
関係を壊したくないのだと思う。
他校の、先輩と後輩ですらなかった関係を。
折角の居心地のよい、ぬるま湯のような関係を。
駄目になった後が怖くて、違うかたちにはしたくなかったのだ。
9/1/2024, 2:45:31 PM