───ただいま！
私の声が部屋に響く。
おかえり、夜ご飯作るの手伝ってくれる？
優しいお母さんが笑顔でそう言う。
おっ！、今日は〇〇が作ったのか！！
そうなのよ！、この子ったら教えたことすぐできるのよ。
〇〇は天才だな！！
お母さんとお父さんが、私を褒めてくれる。
私が作った料理を美味しそうに食べて、褒めて、認めてくれる。

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何でこんな簡単な料理も作れないの！！
…ごめんなさい。前よりは上手くできたとっ
頬が熱くなり、見上げると手を振り下ろした父の姿があった。
何で、教えたことがすぐにできないの…？
またお父さん、機嫌悪くなっちゃったじゃない…。
部屋から出ていく父の後ろ姿を横目に、母がそう言う。
あんたみたいな、出来損ない。
産まなきゃ良かった。
やっぱり、あんたじゃあの子の代わりにはなれないのね。
…あんたが死ねばよかったのに。

冷めてしまった晩御飯を手に取り、こう思う。
（心の中の風景は、温かかったのに…）

8/30/2025, 7:44:22 AM