如月灯

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外を覗くと一面の銀世界が広がっていた。
雪自体は旅先で何度も見ていたが、この辺りの地域で雪が降っているのを見るのは初めてではないだろうか。
硬くなった体を多少勢いに任せながら起こす。上着を羽織り、帽子を被って外に出る。
まだ雪が降ってから誰も来ていないのだろう。足跡一つない地面を踏みながら歩き出す。
サク、サク、
と軽い音が足元から鳴り、少しずつ足を早める。
サク、サク サク サクサクサクサク、、ボフッ
調子に乗り過ぎてしまい転んで、雪の上に大の字になるように寝転がってしまう。
「フフッ、アハハハッ」
我ながら行動が子供じみていると思い、笑いが溢れる。
僕の笑い声は雪に吸い込まれて、ゆっくりと消えていった。


【雪】📷

1/7/2024, 3:39:13 PM