めい

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何処まで走っていった。誰かから逃げていた。鬼。鬼。
あれは何か私を捕まえて、やりたくないことをさせようとする。断ると背骨をパキパキと小枝のように折るのだ。
パキパキと小枝を踏みしだきながら山道を走る。
追いつかれるな。

気がつくと私は学生服を着て机に着き、シャーペンを握って試験を受けている。
文字を書くのがもどかしい。こう書きたいと思うことが、上手く言葉にならない。

気がつくと私はキッチンで唐揚げを揚げている。油が滴り、即座に火が燃え上がる。

こんなに私にばかり押し付けるのズルい!

たまらず悲鳴を上げると目が覚めていて、ここはベッドの上で、頭の上で羽根が揺れていた。悪夢を吸い取る…いや網に引っかかった悪夢はそこで止まる筈の悪夢が…

猫がふざけてドリームキャッチャーを半端にひっくり返して、網は逆さに盛り上がっていた。

さっき悪戯したばかりなのだろう、ドリームキャッチャーの羽根がまだ揺れている。

10/26/2025, 5:11:42 AM