LeMIn

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 酒場にて初対面の少年二人と依頼の作戦会議を始めることにした。
 一見この場に制服は似合わないように見えるが、案外ここではザラであったりする。
 流石、裏で酒場より何でも屋と呼ばれるだけのことはある。ちなむと、表で呼んでいた奴は揃いも揃って行方不明になった。もはや怪事件の域である。
 
 「そういえば、自己紹介してなかった!レミンです!よろしく!」

 会議に入る前に改めて自己紹介を交わす。彼らの名前はそれぞれアルトとマルクというらしい。話しかけてきた方が前者で、背の低い方が後者である。

 長きに渡った話し合いの結果、両者依頼の評価を重視し、かつ危険を伴い過ぎないものを選別することとなった。具体的な内容がない為半刻も経ってはいないが。

「最低でも三階層以下の魔物の討伐か、大丈夫かな...アーメン......」
「逃げ足だけは任せてください」
「まぁ、最悪俺が倒すんで援護だけでもしてくれたら」

 早々に戦闘離脱宣言が出た所でカウンターで呼び鈴がなった。
 二人と顔を見合わせ三人同時にに立ち上がると、そのままカウンターへと向かうこととした。

 その途中横から、勝手に人の冒険終わらせるなよ、等というつぶやきが聞えたが、初手で逃亡宣言した君よりはマシじゃない???という純然たる公平で清純な疑問は返さないであげた。偉い。


「終わらせないで」

11/29/2023, 8:32:47 AM