雑穀白米雑炊療養

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緩い風に当たりつつ立木の木陰に少年と妹らしき少女がしゃがんでいる。木陰から動くこともなく通行人をぼんやりと眺めているようで、通る人間は誰も兄弟に関心を示さない。擦り切れた古着のように見える格好は目を引くだろうに、そのようなことは一度もなく時間が過ぎる。漂う匂いは鼻につき、自分はうっすらと、ただ焼け落ちればよかったろうにと勝手極まる憐憫を浮かべ、遅れて眉根を寄せた。

7/8/2025, 1:29:47 PM