【消えない焔】
私はいつまでやり続けるつもりだろう。
どうせ将来使わないのに、
こんなことに時間を使うくらいなら
もっと他のことを頑張った方が何倍もいい。
今までもそうしてきたはずだ。
いくら興味のあるものでも、
将来いらないものなら切り捨てる。
それが一番いいんだ。
きっとこれでいいんだ。
ならここまでやってきた、
音楽だって辞めてしまえばいい
プロになる訳じゃあるまいし、いらないだろう
これさえ無くなれば、
私はもっと自分を磨ける、完璧に近づける。
早く消してしまおう。
無くさなければならない。
でもそんな音楽を
私は決断できずにズルズルと続けている
いくら続けたって私じゃ何も成せないことも、
時間の無駄だから辞めた方がいいことだって、
全部、わかってるんだよ。
なんでかな、辞めようとする度、
体に力が入らなくなって、
何にもやる気が出なくなるんだ。
もう十分やったから、これ以上は苦しいから、
これくらいで辞めるくらいがちょうどいい
どんな理由を探しても、
本気で辞める気にはなれなかった
いくら無意味なことでも、
どれだけいらないことだとしても
私は音楽がやりたかった。
それ以外は捨ててしまったから、
音楽まで失ってしまったら、
私は何のために生きているか分からなくなる
何を失ってもいいから、どれだけ間違えてもいいから、
私は音楽をしたいのかもしれない。
消そうとしても消すことのできない
何かがあるのだろうな。
音楽をやってきた長い道のりは
どんな炎でも燃えることの無い大樹として
私に深く根ずいている。
もし、辞めることになったいつかが来たらなら
私自身が樹に焔をつけよう。
その火傷は死ぬまで痛むことだろう。
10/27/2025, 1:21:43 PM